送迎車

EPSファイル形式で保存された複数の画像をJPEGに変換する便利な方法をお伝えします。

単純にEPSからJPEGへ一括変換するやり方はいくらでもネットで見つかるのですが、今回の条件ではちょっと苦労したので…。

今回の条件は
・元となるEPS画像は複数のフォルダに格納されている
・フォルダ構造はそのままで一括変換したい
というものです。



■今回のミッション!
1.親フォルダ、子フォルダ、孫フォルダ、合計100点ほどのフォルダに整理されたEPS画像を一括でJPEGへ変換したい。

2.変換後も元のフォルダ構造は維持されていること。

★変換前のフォルダ構造
親フォルダ>
 aaa.eps
 bbb.eps
 
 子フォルダ>
  ccc.eps
  ddd.eps
  eee.eps

  孫フォルダ>
   fff.eps…

これを下記のように、フォルダ構造はそのままでファイル形式だけJPEGに一括変換したい。

★変換後のフォルダ構造
親フォルダ>
 aaa.jpg
 bbb.jpg
 
 子フォルダ>
  ccc.jpg
  ddd.jpg
  eee.jpg

  孫フォルダ>
   fff.jpg…

1だけであればフォトショップのバッヂ処理で一発です。EPS画像をJPEGに「別名で保存」するアクションを作成してバッヂで実行するだけだと思ってはじめたのですが、2の条件がやっかいでした。元のフォルダに保存されずに「別名で保存」するときに指定したフォルダに保存されてしまいます。

「別名で保存コマンドを省略」というオプションがバッヂ画面にあるのですが、これをオンにするとそもそも保存するアクションにJPEG変換が含まれているため、うまく動きません。

なにかいい方法がないかと検索して見つけたのが下記のページです。

「Photoshop / ファイルのバッチ処理」
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/processing-batch-files.html


■「イメージプロセッサー」で解決
ファイルメニュー>スクリプト>イメージプロセッサー

Photoshopのイメージプロセッサー設定ダイアログ

まさにやりたいことがピンポイントでできました!

■EPSって何?
EPSとはEncapsulated PostScriptの略で、PostScriptという印刷用言語で記述するファイル形式です。
DTP創生期には画像やイラレデータはEPSで保存するのが鉄則でした。後で触れますが、今回処理した画像は2005年作成で、EPSでないと入稿できない印刷所が多かったのです。この形式で保存されたファイルはPhotoshopなどのグラフィックソフトで無いと開けません。
「エンカプシールドポストスクリプト」と個人的には読んでいて、口にするたび必殺技を唱えるようで妙に気持ち良かったのですが、念のためwikipediaで調べたら「エンキャプサレイティッドポストスクリプト」と読むようです。恥ずかしい…。技としては正しい読み方の方が強そうですが。

■EPSファイルが壊れていたとき…
今回の作業中に、何点かのEPSファイルが壊れてPhotoshopで開けませんでした。ときどきありますよね。こういうときに頼りになるのがGraphic Converterというソフトなのですが、最新のバージョン9は有料となっています。壊れた画像ファイルもかなりの確率で開けます。

無料の旧バージョンの情報はこちらです。

旧バージョンの「Graphic Converter V6」がユーザー登録するだけで無料
http://applech2.com/archives/31503753.html


今回も助かりました。

■なぜこんな作業をしたのか
今から10年前の2005年に、東京都あきる野市の社会福祉法人「松楓会」様の50周年記念誌を制作しました。
松楓会は3つの老人ホームからなり、中でも養護老人ホームの松楓園様は東京都で2番目に誕生した施設です。

記念誌制作作業は約1年におよびました。20帖ほどの倉庫に過去の写真が詰まった段ボールが山積みされていて、それを選り分けひたすらスキャンしました。
会社に持ち帰るにはトラックで何往復もしなければならないので、スキャナを持ち込んでの作業でした。

その記念誌はこちらからご覧ください。

50年ぶんのえがお
社会福祉法人松楓会(東京都あきる野市)の50周年記念誌
http://www.t-warp.co.jp/works/graphics/index.php?itemid=128


完成時にお客様と「次は80周年記念誌ですね!」と半ば冗談のつもりで言っていたのですが、早くも10年が過ぎ、松楓会様は60周年を迎えます。
今回は外注せずにスタッフの方がMicrosoft Wordで60周年記念誌を制作されるとのことで、50周年記念誌制作時のスキャンデータを送ってほしいとご依頼があったのでした。

弊社では制作したものは印刷物にせよ、ウェブにせよデータを全て保管しています。
しかし、弊社が保管しているのはグラフィックソフトでしか扱えない印刷用データのため、お客様がWordなどオフィス系ソフトでも扱えるようにEPSからJPEGへの変換が必要となったのでした。

記念誌制作をお考えの方、ぜひタンデムワープ社にご相談ください!